売場動線が読めない課題を「10の動線KPI」で解決する方法|来店者分析を軸にした再現性のあるVMD
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アパレル店舗では、同じ様なレイアウトを使っても「回遊する店」と「途中で離脱される店」がはっきり分かれます。VMD担当者がもっとも悩むのは、売場動線が読めず、什器やテーマ変更の効果が分からないことです。
入口前で立ち止まるのに入店しない。入店したのに右折せず通り抜ける。中央通路の途中で戻ってしまう。これらはすべて、来店者分析や店前通行量分析を使うことで「起きている本当の原因」が明らかになります。
しかし多くの現場では、動線KPIが存在せず、判断が属人化し、週次VMDの効果検証も曖昧なままです。これでは再現性が生まれません。

来店者分析|売場動線を左右する「10のKPI」
VMD担当者が実務で使うKPIは、売場動線の「起きている本当の原因」を整理するために有効です。以下の10項目は、再現可能な動線分析の骨格になります。
1. 入口視認率
- 店前の歩行者が入口とテーマを視認した割合。店前通行量分析と組み合わせると入店率との本当の原因のつながりが分かります。
2. 入店率
- 「どれだけ入店してもらえたか」の要となる指標。売上改善の最初の分岐点です。
3. 入口右折率・左折率
- 入店後の最初の動きを可視化。VMDの入口設計が正しいかを判断できます。
4. 中央通路通過率
- 入口からどれだけ奥まで進んだか。奥行きのある店舗ほど重要です。
5. 中央通路途中離脱率
- 途中で戻ってしまう割合。テーマ訴求不足や什器密度過多が原因の場合が多いです。
6. 什器前滞留率
- 接客前の興味シグナル。VMDが何を生み出しているかが最も分かりやすい指標です。
7. ゾーン別滞在時間
- 滞在の長さは売場の魅力度を示す明確なデータ。売場動線の質を把握しやすいKPIです。
8. 回遊率
- 入口→中間→奥→レジ前まで動けた割合。売場全体の「質」を示す最重要KPIの一つです。
9. ゾーン別CVR
- 什器レベルの成果を直接示すため、VMDと販売力の本当のつながりが明確になります。
10. 前方什器CVR
- フロントゾーンの勝負什器。入口視認率とセットで管理すると再現性が高まります。

今までの店舗運営では動線KPIが「見えない」
従来の店舗運営では、動線の良し悪しを客観的に判断する仕組みが不足していました。データが揃わないため、現場も本部も「なぜ動線が崩れているのか」という「本当の原因」を共有できず、VMD改善が属人化してしまいます。
結果として、せっかくの施策が再現性を持たないまま終わってしまいます。
- スタッフの感覚に依存して判断が分かれる
- データが日次・週次で遅れ、現場が動けない
- VMD変更の効果が曖昧で再現性がつくられない
- 本部と店舗で動線認識がズレる
この状態が続くと、どれだけ優れたVMD案でも成果が見えず、改善の手が止まってしまいます。
Flowが動線改善のヒーローになる?|店舗AI最適化が「本当の原因をつなぐ」
Flowは来店者分析・店前通行量分析・店舗ダッシュボード・店舗AI最適化を組み合わせ、動線の「どこで」「なぜ」問題が起きているのかという、本当の原因を整理します。これにより、感覚ではなくデータで動線改善を進めることが可能になります。
Flow Traffic Analytics(来店者分析)
入店後の動きを詳細に捉えることで、売場のどこで興味が生まれ、どこで離脱が起きているのかが分かります。リアルタイムで動線の核心を把握できます。
- 入口右折率や左折率の変化を検知
- 中央通路での途中離脱ポイントを特定
- 什器前滞留率から興味の発生箇所を可視化
Flow Passersby Analytics(店前通行量分析)
店前を通る人の動きを正確に計測し、「見られているのに入らない」状態の理由を明確にします。入店率の改善ポイントが分かります。
- 入口視認性と入店率の因果関係を把握
- 前方VMDの訴求力が弱い箇所を発見
- ミスオポチュニティ(機会損失)を定量化
Flow Dashboards(店舗ダッシュボード)
複数のKPIを一つに統合し、本部と店舗が同じ情報で判断できます。何が起きているのか、その本当の原因を共有できるため、改善の優先順位が明確になりチーム全体の動きも揃います。
- 動線KPIを一画面で確認
- 来店→動線→売上の因果が可視化
- 改善の指示出しがスムーズに
Flow AI(店舗AI最適化)
現場の動線データをもとに、改善すべきポイントをAIが自動で提示します。判断の属人化を排除し、どの店舗でも同じ精度で売場改善が行えます。
- 動線詰まりを自動検知
- 前方什器の見直しなど具体的な行動を提案
- 再現性のあるVMDをチェーン全体で実現

まとめ|売場動線は「感覚」ではなく「本当の原因の理解」からつくる
10の動線KPIを基軸に、来店者分析・店前通行量分析・店舗ダッシュボード・店舗AI最適化を組み合わせれば、売場動線は再現性のある仕組みに変わります。
属人化を排除し、判断スピードが上がり、どの店舗でも同じ品質でVMDを実行できるようになります。
