来店客数カウンターの選び方。小売企業が絶対に見るべき3条件
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来店客数が正確に測れていないと、店舗運営はどこかで必ずゆがみが生まれてしまいます。
入店率、購買率、スタッフ配置、生産性、売上改善ストーリー。
これらはすべて「正しい来店数」を前提として成り立つためです。
しかし現場では次のような悩みが絶えません。
・カウンターの数字と体感がずれている
・入口が複数あり正確に測れない
・スタッフの通過が混ざってしまう
・リピーター数がわからない
・本部と店長が「客数認識」で噛み合わない
これらの課題の多くは、機器選定の段階で見るべきポイントを外していることが原因です。
今回は多店舗小売チェーンが
「絶対に外したくない3つの条件」を整理します。
条件1|入口構造に合わせて「精度が保てるか」
来店計測で最も重要なのは、どんな入口構造でも精度が安定するかどうかです。
アパレルやライフスタイルなどの店舗業態では入口が複雑です。
・広く開いたファサード
・パーテーションで区切られた疑似入口
・レジ前を通って入店する入口
など、計測しづらい構造が多く存在します。
精度が落ちる環境でも90〜98%程度の安定計測が出せなければ、入店率・購買率・ピーク解析も正しく算出できません。
FlowのAIカメラ型カウンターは広い入口でも補正が効くため、入口形状による誤差を最小限に抑えられる点が強みです。
条件2|スタッフ通過やリピーターの自動除外ができるか
来店客数カウンターの誤差で最も多いのが「スタッフ通過やリピーターが混ざる問題」です。
・バックヤード⇄売場移動
・レジ周りの往来
・品出し動線の横断
など現場スタッフの特徴的な動きが数字に影響します。
AIカメラであれば、人物の特徴を読み取り、スタッフとお客様を自動で分けることができます。スタッフだけでなく、何度も往復するリピーターのお客様も一人として扱うことができます。個人を特定する顔認識は行わず、服装・体格・動き方などの特徴から同一人物であるかを識別する仕組みです。
これは本部にとって非常に大きな意味があります。もしスタッフ通過が混ざると、「今日は忙しかったのに客数が少ない」という誤解が生まれ、現場とのコミュニケーションロスにつながります。
正しく「数えるべき人だけを数える」ことが、来店者分析の精度と本部・店舗の認識統一に直結する のです。
条件3|店舗ダッシュボードと連動し「使える数字」になるか
来店客数カウンターは、カウントするだけでは意味がありません。
数字がそのまま店舗の重要指標であるKPIなどに変換され、改善の根拠として機能する必要があります。
・入店率
・回遊率
・購買率
・ピークタイム
・スタッフ配置
Flowの店舗ダッシュボードは、来店者分析だけでなく売上・時間帯・天候・店前通行量分析を1つに統合し、来店計測 → 分析 → Flow AIの行動提案という実務に直結するデータフローをそのまま実現できます。

Case Insight|AIカメラで“正しい来店数”を把握し、現場と本部のズレが消えた全国チェーンの例
ある全国チェーンでは、長年「来店数が体感と合わない」という課題を抱えていました。
従来使っていた来店計測方法は、通過した人数をすべてカウントしてしまう仕組み だったため、
・スタッフの往来を来店客としてカウント
・何度も往復するリピーターを別々の来店として計測
・入口構造が広い日や繁忙期に数字が大きく乱れる
といった問題が続いていました。
その結果、本部が見ている数字と現場の体感が噛み合わず、
「本部は客数が多いと言うけれど、実際はそんなに来ていない」
「改善指示が実態と合わない」
というコミュニケーションギャップが常態化していました。
FlowのAIカメラ型カウンターに切り替えると、スタッフ通過と同一人物のリピートを自動で除外し、純粋な来店数だけを安定して可視化できるようになりました(顔認識を使わず、服装や体型などの特徴で識別)。
さらに、入口構造に左右されない計測精度に加え、スタッフ・リピーターの自動除外、店舗ダッシュボードとの連動によって、来店計測 → 入店率 → 行動提案までがひとつの流れで運用できるようになりました。
その結果、本部と現場が同じ数字を共有できるようになり、入店率の改善ポイントやピークの正しい姿が明確化。数字の解釈のズレがなくなり、改善サイクルが大きく加速しました。
重要なのは「精度そのもの」ではなく、正しい数字がそのまま改善行動につながる状態を作れたことです。Flow導入をきっかけに、このチェーンでは来店者分析が初めて本当の改善の起点として機能し始めました。
来店客数カウンター選びは「精度 × 現場適応 × データ活用」
来店計測は小売運営の出発点です。
しかし装置としての精度だけに注目するのでは、ただの装置にとどまってしまいます。
本当に見るべきポイントは次の3つです。
1. 入口構造が難しくても精度が出るか
2. スタッフ通過やリピーターを自動除外できるか
3. ダッシュボードやAIと連動し、行動につながる数字になるか
この3条件が揃うことで、来店者分析が売上改善のエンジンとして機能します。