
客数分析で生産性を高める小売DX戦略
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昨今DX化の流れにともない、多くの小売企業が「店内分析」をスタートさせています。
様々な新しいテクノロジーを使った分析方法がある中で、最も重要な要素のひとつが 「来客数(客数)」の正確なカウント です。今回はその方法と活用のポイントをご紹介します。

ピープルカウンターで実現する客数分析
客数の計測方法
■ 店舗や施設の入口にピープルカウンター(来店客数カウンター・来店カウンター)と呼ばれる3Dセンサーカメラを設置して自動計測。精度が最も高く、初期コストがかかります。
■ WEBカメラによる高精度な計測。手軽に始められるメリットがあります。
■ 機器設置が難しい場合は、従業員による手動計測をデータ集計できる「Flow Clicker」などモバイルアプリを利用できます。
このように、店舗規模や環境に応じて、最適な計測方法を選ぶことが可能です。
関連記事:ピープルカウンターとは?

客数を計測するメリット
1.売上改善の第一歩
売上公式「売上 = 客数 × 入店率 × 購買率 × 客単価」において、客数はすべての基盤となる指標です。来店客数が分からなければ「なぜ売上が下がっているのか?」の原因を特定することができません。実際には、客数が減少しているのか、入店率や購買率が下がっているのかで、打つべき施策は変わります。客数を正しく把握することは、売上改善の第一歩となります。
2.集客施策の効果測定
広告やキャンペーン実施前後の客数を比較することで、施策の効果を数値で検証できます。週末限定イベントやSNS広告を打った場合、どれだけ来店客数が増加したのかを可視化できます。従来は「人が増えた気がする」といった感覚的な評価にとどまりがちでしたが、正確な客数データをもとにすれば、施策ごとの投資対効果も明確に判断できます。
3.店舗運営の効率化
来客数の時間帯別データをもとに、スタッフ配置やシフト計画を最適化できます。たとえば、午前中は客数が少ない一方、夕方以降に集中する店舗では、スタッフの休憩時間を午前に集約する、といった運営改善が可能です。無駄な人件費を削減しつつ、ピークタイムに十分な接客リソースを確保できます。
4.施設全体のパフォーマンス把握
複数店舗や施設全体の比較・ベンチマークに活用でき、経営判断をサポートします。同じショッピングモール内でも店舗ごとに客数傾向は異なります。データを比較することで「立地の影響なのか」「販促施策の効果なのか」といった要因分析が可能です。全国規模でチェーン展開している企業であれば、エリアごとの集客力を可視化し、マーケティングや出店戦略の意思決定にもつなげられます。
客数データの活用方法
マーケティング最適化
SNS広告・チラシ・イベントなどの集客効果を定量的に評価します。例えば、週末限定でInstagram広告を配信した際、広告出稿前後の客数を比較することで、来店客が何%増えたかを明確に把握できます。
VMD改善
店前通行人数と入店率を比較することで、店舗の外観や演出が顧客を惹きつけているかを検証できます。例えば、ある時間帯に約500人が店前を通過し、入店者が20人だった場合、入店率は4%です。この基準値をもとに、曜日や時間帯ごとに比較して分析します。ショーウィンドウの商品配置やPOPを変更した結果、入店者数が増加すれば、そのVMD施策が効果的であったことをデータで裏付けることができます。
購買率・客単価との連動分析
客数データを基点に、購買率や売上との相関を可視化できます。例えば、平日と週末で客数は同程度でも、購買率や客単価が異なる場合があります。週末は家族連れが多く購買点数が増える一方、平日は単身客が中心で購買率が低い、といったパターンです。こうした相関分析により、ターゲットに応じた販促施策や商品配置の最適化が可能になります。
まとめ
客数を正しく把握することは、売上改善・業務効率化・顧客体験向上のすべてにつながります。センサーやカメラ、Flow Clickerといったツールを活用し、自店舗に最適な方法で「客数分析」を始めましょう。
関連記事|さらなる売上改善につながるデータ活用
◆ 購買率を計測してオペレーションを効率化
◆ 店前通行量の把握で入店率を上げる!
◆ レジ前混雑の見える化で顧客満足度向上
◆ 滞在時間の見える化で売上向上
◆ 棚前・什器立ち止まりの分析で購買率を最大化!
◆ 来店属性分析でターゲットを最適化