売上が予算に届かない。
そんなとき、最初に考えやすいのが「もっとお客様を呼ぼう」という施策です。
広告を増やす。キャンペーンを追加する。クーポンを配る。
しかし、その前に確認したいことがあります。
本当に、来店客数が足りないのでしょうか。
売上だけを見ても、その答えは分かりません。
店舗の前を歩く人が減ったのか。
店前には人がいるのに入店されていないのか。
来店客数は十分あるのに購入につながっていないのか。
購入はされているものの、客単価が下がっているのか。
原因によって、必要な施策はまったく違います。
多店舗を運営する企業で重要なのは、売上未達の店舗をまとめて「集客不足」と考えるのではなく、
どの店舗で、売上につながる流れのどこに問題があるのか
を早く見分けることです。
売上未達を「集客不足」と決めつけない
店舗売上は、基本的に次の3つに分けて考えられます。
売上 = 来店客数 × 購買率 × 客単価
来店客数・購買率・客単価に分けて売上低下の原因を見る方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
さらに店舗の外まで含めると、
店前通行量 × 入店率 = 来店客数
です。
つまり、店舗の売上までの流れは、
店前通行量 → 入店率 → 来店客数 → 購買率 → 客単価 → 売上
と考えることができます。
同じ「売上未達」でも、どこで数字が落ちているかによって確認すべきことは変わります。
| 起きていること | まず確認すること | 施策の方向性 |
|---|---|---|
| 店前通行量が減っている | 店舗周辺を歩く人自体が減っている | 商圏、販促、曜日、天候など |
| 通行量はあるが入店率が低い | 店前の人を入店につなげられていない | 入口、VMD、店頭訴求 |
| 来店客数はあるが購買率が低い | 来店後に購入につながっていない | 接客、在庫、人員配置、売場 |
| 購買率は維持しているが客単価が低い | 1件あたりの購入金額が下がっている | 商品構成、UPT、クロスセル |
「売上が足りない」という結果だけでは、この違いは見えません。
同じ100件の購買でも、店舗の課題は違う
例えば、次の2店舗があったとします。
| 店舗A | 店舗B | |
|---|---|---|
| 来店客数 | 250人 | 500人 |
| 購買率 | 40% | 20% |
| 購買件数 | 100件 | 100件 |
どちらの店舗も100件の購買です。
しかし、状況は大きく違います。
店舗Aは250人が来店し、そのうち40%が購入しています。
店舗Bには500人が来店していますが、購入したのは20%です。
この2店舗に、
「売上が足りないから、もっと集客しよう」
と同じ指示を出すのは適切でしょうか。
店舗Aでは、来店客数を増やすことが売上改善につながる可能性があります。
一方、店舗Bにはすでに500人が来店しています。
店舗Bで先に確認したいのは、さらに広告費を使うことではなく、
なぜ来店しているお客様の購入につながっていないのか
です。
来店客数と購買率が分からなければ、この違いを見分けることができません。
多店舗では「どの店舗に、どの問題があるか」を分けて見る
100店舗が売上予算を下回っていたとしても、100店舗すべてで同じことが起きているとは限りません。
ある店舗では、店前を歩く人そのものが減っている。
別の店舗では、人はいるのに入店されていない。
別の店舗では、来店客数は十分なのに購買率が落ちている。
さらに別の店舗では、購買率は維持しているものの客単価が下がっている。
これらをすべて「売上未達店舗」として扱えば、違う原因に同じ対策を出してしまいます。
多店舗運営で必要なのは、
各店舗がどこで数字を落としているのかを、同じ基準で比較すること
です。
そうすれば、
広告や販促を検討する店舗。
入口やVMDを見る店舗。
接客や人員配置を確認する店舗。
商品構成や客単価を見る店舗。
を分けて考えることができます。
来店客数が減った理由は、店前通行量と入店率で分かれる
来店客数が減っている場合も、原因は一つではありません。
例えば、来店客数が500人から400人に減った2店舗を考えてみます。
| 店舗A | 店舗B | |
|---|---|---|
| 店前通行量 | 2,500人 → 2,000人 | 2,500人 → 2,500人 |
| 入店率 | 20% → 20% | 20% → 16% |
| 来店客数 | 500人 → 400人 | 500人 → 400人 |
どちらも来店客数は20%減っています。
しかし店舗Aでは、店前を歩く人そのものが減っています。
店舗Bでは店前通行量は変わっていませんが、入店率が20%から16%へ下がっています。
店舗Aなら、商圏、曜日、天候、販促などを確認する必要があります。
店舗Bなら、入口、店頭VMD、ディスプレイ、店頭訴求などを確認する価値があります。
「来店客数が減った」という数字だけでは、必要な施策までは決められません。
だから、店前通行量と入店率まで見る意味があります。
原因が分かる「速さ」も重要
売上未達の原因は、分かればよいというだけではありません。
いつ分かるかも重要です。
例えば午後2時の時点で、ある店舗の売上が目標を下回っているとします。
売上だけを見れば、
「今日は売れていない」
ということしか分かりません。
しかし、
-
店前通行量は通常水準
-
入店率も通常水準
-
来店客数も確保できている
-
購買率だけが昼前から低下している
と分かれば、集客より先に店舗内を確認できます。
スタッフ配置に問題はないか。
欠品している商品はないか。
接客できていない時間帯はないか。
売場変更の影響はないか。
午後2時に分かれば、その日の営業中に確認や対応ができます。
翌週の会議で分かっても、前週のお客様にもう一度購入してもらうことはできません。
店舗データの価値は、分析を増やすことではなく、まだ行動できるうちに原因を絞れることです。
実際に、来店客数と購買率は別々に動く
Flowを導入した大手セレクトショップでは、124店舗・1年間の検証で、
-
来店客数:前年比 -5.61%
-
購買率:前年比 +8.93%
-
売上:前年比 +8.25%
という結果が確認されています。
ここで重要なのは、来店客数と購買率が必ず同じ方向に動くわけではないということです。
来店客数だけを見れば、
「お客様が減っている」
という事実が見えます。
購買率(買上率)も合わせて見ることで、
来店したお客様がどの程度購入につながっているか
という別の状況も確認できます。
※上記は当該企業における結果です。成果は店舗環境、運用、市場条件、データ活用の定着度などによって異なります。
Flowなら店前から売上までを同じ流れで確認できる
この問題を解決するために必要なのは、単にデータを増やすことではありません。
必要なのは、
店前通行量、入店率、来店客数、購買率、客単価を同じ流れで確認できること
です。
Flowでは、次のように確認します。
1. Flow AIカメラで店前通行量と来店客数を測る
Flow AIカメラで、店前通行量や店舗入口の来店客数を継続して計測します。
そこから、
入店率 = 来店客数 ÷ 店前通行量
を確認できます。
2. POSとつないで購買結果を見る
POSから購買件数、売上、客単価などの情報を取得します。
来店客数と購買件数を組み合わせれば、
購買率 = 購買件数 ÷ 来店客数
を確認できます。
3. Flow Platformで店舗・時間帯別に比較する
店前通行量 → 入店率 → 来店客数 → 購買率 → 客単価 → 売上
を店舗別・時間帯別に確認します。
これによって、本部が見るものは単なる「売上未達店舗一覧」ではなくなります。
例えば、
「店前を歩く人自体が減っている店舗」
「店前には人がいるのに入店率が低い店舗」
「来店客数はあるのに購買率が低い店舗」
を分けて見ることができます。
店舗数が増えても、見る基準は同じです。
500店舗を500通りの感覚で判断するのではなく、同じ指標で原因を確認できる状態をつくる。
これが多店舗運営で重要になります。
まとめ:広告を増やす前に、どこで数字が落ちているかを見る
売上未達だからといって、最初の対策が広告や販促とは限りません。
まず確認したいのは、
売上までの流れのどこで数字が落ちているのか
です。
店前を歩く人が減っているのか。
人はいるのに入店されていないのか。
来店しているのに購入につながっていないのか。
購入はされているものの、客単価が下がっているのか。
原因が違えば、必要な施策も違います。
特に多店舗では、一つの判断を数十店舗、数百店舗へ広げることになります。
だからこそ、
売上未達を見つけたあと、まだ打ち手を変えられるうちに原因を見分けること
が重要です。
Flow AIカメラで店前通行量と来店客数を計測し、POSとつなぎ、Flow Platformで店舗・時間帯別に比較することで、どこから確認すべきかを絞ることができます。
Flow AIカメラで店前通行量・来店客数・入店率を確認する
FAQ:売上未達と来店計測について
POSだけでは購買率を把握できませんか?
POSでは購入件数や売上は分かりますが、購入しなかった来店客数は分かりません。
購買率を見るには、購買件数に加えて、分母となる来店客数が必要です。
来店客数だけ計測すれば十分ですか?
売上と購買率を見るうえでは重要ですが、来店客数が減った理由まで判断するには、店前通行量と入店率も役立ちます。
「店前を歩く人が減った」のか、「人はいるのに入店されなくなった」のかでは、必要な施策が異なるためです。
入店率が低い場合は、VMDを変えればよいのでしょうか?
必ずしもそうではありません。
入口の見え方、ディスプレイ、店頭訴求、時間帯、周辺環境など複数の要因が考えられます。
まず入店率がいつ、どの店舗で低下しているかを確認し、そのあと店舗の状況を調べます。
来店計測を導入すれば売上目標を達成できますか?
来店計測だけで売上達成が保証されるものではありません。
来店計測の価値は、売上未達の原因を店前通行量、入店率、来店客数、購買率、客単価などに分け、どこを確認し、どの施策を検討すべきか判断しやすくすることにあります。


